クリント・イーストウッドが、じじいで。
頑固で孤独で古くて。でも愛すべき尊敬すべき、じじいで。
ああいうじじいがいっぱいいると面倒くさくても良い世の中になるのだろうか。
クリント・イーストウッドの監督作品を観るのは初めてだ。
と思ったらチェンジリングは観たなあ。
救いがない結末という感想を人づてに聞いてからは
ミリオンダラーベイビーにはなかなか手が出ない。
監督は2000年前後から始めたものと思っていたが
どうやら1971年に一作目の初監督作品を世に出しているらしい。
私が産まれる大分前ではないか。流石。
話の中に出てくるモン族は、別名ミャオ族。
もともとは中国の民族らしいが、
歴史と共に南部に追われ、ベトナム戦争時にアメリカに協力した事から
終戦以降難民として世界各地に散っている。
一部の地域のモン族の間には未だ精霊信仰が強く残っており、
たまに映画やドラマでオペを拒否するモン族が登場する。
そのモン族の家族とじじいのコミュニケーション。
結末はやはり悲しかったが、後味が悪いとかではなく
しみじみとした気持ちになった。
幼少の折、小学生の一時をアメリカのウィスコンシン州の州都であるマディソンという町で過ごした。
州立大学があるだけで、とりたてウリの無い小さなのどかな田舎町。
日本人は殆ど住んでおらず、小学校では日本人は一人だけだった。
一方、周囲にはラオス、カンボジア、タイからの移民ファミリーがいっぱいいた。
英語がまったくできないアジア人の同級生である私に対し、
過保護なまでに面倒をみてくれたのは、彼ら移民の子だった。
彼らは非常に親切だった。
ただ、微妙に彼らは自分たちのファミリーの由来を幼いながらに意識していたようで
「ラオスはベトナムとは仲が悪いの」とか、たまにぽろりと私に漏らしていた。
ともかく、映画を観ながら思いを馳せるに
あのころの我が家の近くにも、敬愛すべきじじいが居たのかもしれない。